貫いた嘘と真実③

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──楢崎くん! 不意に、彼女の笑顔が頭に浮かんだ。 俺を見つけると、小走りで駆け寄って飛びっきりの笑顔でそう呼ぶんだ。 俺はその笑顔にいつも癒されて、その笑顔を見てるだけで幸せだった。 彼女の笑っている顔が、何よりも、誰よりも好きだった。 「これ以上傷つけてしまったら、あの子はもう立ち直れないかもね?」 「……やめろ」 「もう二度と、笑うことはできないかもね?」 「やめろっ!!」 やめてくれ。 彼女だけは… 葉瑠の笑顔だけは奪わないでくれ。
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