貫いた嘘と真実③

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「ああ、なんだ健か」 『なんだってなんだよ。 お前相変わらず変わってねえな。 ってか、何でそんなに電話繋がらないの? 留守電になるばっかで、ようやく今繋がったんだけど』 「ああ、ごめん。 ちょっと今忙しくて」 『留守電聞いたよ。 お前白河さんにプロポーズすんの!?』 またその話題か…と思いつつも、健には一番に報告したくて、随分前に電話を入れたのは自分だから仕方がない。 「そのつもり。 でも、いろいろ落ち着いてからな。 俺、留学考えていたんだ」 『留学!? どこに?』 「アメリカ。期間は一年だけど」 『一年か…。 白河さんには話したの?』 「まだ留学が決まったわけじゃなくて。 審査内容が今取り組んでいる研究を指標にされるんだけど、今の状態じゃ合格は難しいって。 教授も推してくれたんだけど今回は無理だろうって、数日前にはっきり言われた。 だから留学の件はほぼ白紙になると思う」 『じゃあ、プロポーズもナシ?』
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