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「ああ、なんだ健か」
『なんだってなんだよ。
お前相変わらず変わってねえな。
ってか、何でそんなに電話繋がらないの?
留守電になるばっかで、ようやく今繋がったんだけど』
「ああ、ごめん。
ちょっと今忙しくて」
『留守電聞いたよ。
お前白河さんにプロポーズすんの!?』
またその話題か…と思いつつも、健には一番に報告したくて、随分前に電話を入れたのは自分だから仕方がない。
「そのつもり。
でも、いろいろ落ち着いてからな。
俺、留学考えていたんだ」
『留学!? どこに?』
「アメリカ。期間は一年だけど」
『一年か…。
白河さんには話したの?』
「まだ留学が決まったわけじゃなくて。
審査内容が今取り組んでいる研究を指標にされるんだけど、今の状態じゃ合格は難しいって。
教授も推してくれたんだけど今回は無理だろうって、数日前にはっきり言われた。
だから留学の件はほぼ白紙になると思う」
『じゃあ、プロポーズもナシ?』
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