第一章 誘わないで

11/21
前へ
/409ページ
次へ
「はい……あ、いえ。中学までは水泳部にいました」 「そうか、納得。髪も短いほうがキャップに収めやすいもんね」 藤木先生は頷いて、私の髪に視線を注ぐ。 ……ヤバい。 そんな綺麗な顔をして見つめないで。 「髪、短いのが似合うって美人の証拠なんだよ」 そんな勘違いしそうなこと、先生の癖に言わないで。 「楽しい三年間を過ごせたらいいね」 男性の笑顔を綺麗だなんて思ったの初めて。 「はい……ありがとうございます」  ……保健室、入り浸ってしまいそう。
/409ページ

最初のコメントを投稿しよう!

225人が本棚に入れています
本棚に追加