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翌日。
捻挫した手首に包帯を巻いて学校へ。
「左手でよかったねー」「うん、ありがと」
ユマが心配そうに寄って来た。
背後からの刺すような視線に気が付く。
「あ、晴美、おはよー」
「……」
ユマが、その視線の主に挨拶をするも、プイッとそっぽを向いて廊下へと行ってしまった。
″ 晴美 ″ーー
草加部 晴美。
彼女も同じ中学だった。
長い髪、結ばないと校則違反なのに、それをサラリとなびかせて、高1とは思えない色っぽさを漂わす。
「晴美と円香って、水泳部で仲良くなかったっけ?」
言葉を交わさなかった私に、ユマが不可解そうに聞いた。
「ううん、そうでもなかったよ」
本当は、晴美とは、″ あの事 ″ が起きるまでは、親友同士だった。
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