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友「よっ。」
僕「あ……。」
友「しばらく来ないからどうしたかなと、な。久々に山を降りたぜ。」
僕「なんで、僕の家に?」
友「たまたまお前の親父を見かけてな、町に入れてもらったのさ。それより、俺はどーしてもお前に言わなきゃいけないことがある。」
僕「な、に?………あっ。」
友「お前……。
誰が可愛くておっちょこちょいでおませな俺っ娘魔物少女だゴルァ!!町中に噂広まってるじゃねぇか!お前、好きなのか!?お前、俺が好きなのか!?
色恋沙汰に鈍感なフリしやがって!魔法使いの女の子って、お前の妹じゃねぇか!鈍感なのは俺の方だって!あーそうですよ、さっきまではな!なーにが恋わずらい花嫁が山から舞い降りた、だ!結婚してやるよ!種族の壁のひとつやふたつ、ぶち抜いたろか!冒険できないくらいに幸せ作ってやんよ!」
僕「ま、待って。落ち着いて。よだれ拭いて。ベッドに潜り込むのはいい。でも破かないで…。」
友「ふーっ!ふーっ!ふーっ!」
半時間後……
友「俺も、どうかしてた…。」
僕「うん。大好きだよ。」
友「バーカ。再戦する気かよ。」
僕「まあまあ。みんなには正直に話す必要があったんだ。いつか君と一緒に居られる日が来るためにね。愚策だったかもしれない。でも僕を、君を助けた人こそ勇者だったんだ。
説明不足な僕を助けてね。山には君が居ること、その子は僕とお父さんが助けて、人間を襲う気はないこと、可愛いこと」
友「さて、覚悟はいいか?」
僕「勿論。既にできてるよ。でも今日は休ませて。」
友「……ふんっ。俺を倒せないようじゃ、まだまだ勇者にはなれないな。」
僕「なってみせるさ。倒さずにね。」
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