はじまり

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それから数ヵ月後…… 勇者、僕「やっぱり、無理なのか…。」 友「すまない。どうやら魔王が倒されたようだな。やっと正気を取り戻せたよ……。」 僕「一斉に魔物が凶暴化して、それでも町を僕の魔法で守ったけど……。げほっ。」 友「本当にすまない。お前の側に居たというのに。魔物の定めには逆らえず…。 あぁ、せめてお前に刃が届く前に正気を取り戻したかった。」 僕「いいよ。もう。僕は勇者らしく町を守れたんだ。それより、君も消えちゃうのか?魔王が倒されると、魔物が全滅する。そんなことがあってたまるか。 やだ。嫌だよ…。生きてって言ったじゃないか。」 友「お前こそ生きろよ。勇者なんだろ。他の人間や魔物より強いのだろ。こんな終わり方なら、お前に倒されたかった……。」 僕「それも、やだ。消えないで。君も、僕も救う。それが、勇…者……。」 友「あぁ、冷たいな…。お得意の魔法で暖めてくれよ。一緒に……。 あぁ、なんだ。まだ暖かいじゃないか…。一番近くにお前がいる。お前と一緒に生きてきて、勇者に助けられて、よかった…。」
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