はじまり

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僕「勇者は今頃、なにをしてるだろうなぁ。」 友「さぁな。どっかで魔物を殺してるんじゃないのか?」 僕「物騒な言い方だね…。」 友「使命が世界を救う、だろ。魔物は片っ端から殺し、民家から使える武器や食料を徴収し、魔王を殺してクリア。あとは晴れて引退、英雄伝が山のように売れるだろうな。」 僕「えぇぇ…。色々言いたいけどまず、徴収はしないでしょ。そんなの勇者じゃなくて、自己分析できない勘違いしてるクズだよ。」 友「それもそうか。お前の町にも勇者がいたようだが、そんな人間には見えなかったな。」 僕「うん。僕もあの人みたいな勇者になりたい。」 友「そうか。ところで、勇者になったらどうするつもりだ?」 僕「殺しに怯えることなく、みんなと一緒に生きれる場を作る。」 友「それなら勇者でなくとも兵士や門番で十分だろ?」 僕「えっと……。勇者、嫌いなの?」 友「いや?」 僕「僕が勇者になっても?」 友「別に構わないさ。お前が良い奴なのは俺が一番よく知ってる。」 僕「ありがと。」
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