【7】

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医者が足りなかったとはいえ、克昭を助けたいからという理由で勝手に勤務する病院ではないのに手術をしてしまったのだ。 何か言われたとしても俺には謝ることしか出来ない。 「君は外科医としても優秀だったんだね。ひとつ頼まれてくれないかい?」 「俺に、出来ることでしたら・・・。」 笑顔で話してくる江藤さんからは圧力なんていうものは感じることがなく、安心してもいいのではないかと思わせてくる。 「彼が退院するまででいいから、外科医としてこの病院にいてくれないかい?もちろんこの彼の担当医は君にする。というよりこの病気に関しては君以外には経過すら見ることが出来ないだろうね。・・・外科医が足りなくてね、彼を優先してくれていい、時々でいいから執刀を頼みたいんだ。有森には俺から言っておくよ。」 「克昭が退院するまででいいのでしたら、引き受けます。」 「ありがとう。今日はこのままここにいて大丈夫だから。」 そう言って江藤さんは病室を出て行った。 克昭の寝顔を見つめ、克昭に付き添えることに安心する。 俺は芳村に克昭の手術が無事に終わったことをメールで伝えると、今日は面会時間も終わってしまったこともあり、明日見舞いにくるという返事がきた。
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