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蘭華は所々で仮眠を取りながら、一晩中克昭の看病を続けた。
幸いなことに克昭の状態が悪化することはなく、規則正しい寝息を立てていたことに蘭華は安堵する。
術後の経過を見て、数日後に蘭華はもう一度詳しい検査を克昭にしてもらうことにした。
今は自分が担当医であり、直接検査結果を知ることが出来る。
克昭の検査の予約を入れた蘭華は、血液検査はもちろん、MRIも必要だと判断していた。
まだ目を覚まさない克昭の首と指につけられた自分とお揃いのアクセサリーは外されている。
今の状態の克昭には身につけておくことは難しいため蘭華が持っている。
点滴をしていないほうの手をしっかりと握り、克昭が目を覚ますのを待った。
「ん・・・、あれ・・・?俺・・・、・・・蘭華・・・?」
「克昭!?」
目を覚ました克昭は眠る直前までの激痛が嘘のように消えてはいるけれど、鈍い痛みはあることに気づく。
自分が手術をしたことだけはなんとなくわかってはいた。
抱きついてきた蘭華に心配をかけてしまったようだと、点滴をしてないほうの手で蘭華を抱きしめる。
「蘭華・・・俺、どうなったんだ?」
「今のところは、傷が塞がればもう大丈夫だとは言える。もう一度検査はしてほしい。」
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