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蘭華が言うように克昭は退院したら自分がやりたいことを見つけようと思う。
自慢出来る恋人につりあう自分になれるように。
ドアをノックする音に慌てて蘭華を抱きしめる腕を緩めて離れる。
開いたドアから顔を見せたのは、フルーツの籠を持った宗佑だった。
「克昭、大丈夫か?」
「蘭華がいるから大丈夫。」
なぜか宗助が笑い出すことが不思議に思えて蘭華を見ると呆れた表情をしていた。
俺は何か間違ったことを言ったのだろうか。
「お前、霧留が好きだろ?」
耳元で囁くように言われたことに首を傾げる。
宗佑は付き合ってるのかと聞かずに、俺が蘭華を好きなんだろうと聞いてきた。
蘭華は分かり難いけれど、俺は分かり易いとでも言いたいのか?
でも、これは付き合ってるとは言わないほうがいいのだろうかとも思う。
宗佑が帰った後で蘭華に相談してみるしかないか。
「何で?」
とりあえずはそう聞いてみることにした。
もしかしたら俺が分かり易いという理由で言われたわけではないかもしれないから。
「克昭は顔と態度に出すぎだろ。俺がわかるってことは相手も気づいてるんじゃないのか?」
「俺、顔と態度に出てる・・・?」
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