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宗佑が頷くのを見て、俺は営業には向いてないのかもしれないと思えてくる。
もし、相手が嫌な客だった場合、顔と態度に出てしまったら、営業職には不利になってしまう。
「何の話?」
「ん?俺が蘭華を好きだろって言われたんだ。」
最初の耳打ちされた内容を知らない蘭華が俺と宗佑の会話に入ってくる。
特に隠すことでもないため、俺は言われたことを蘭華に伝えると、宗佑が目を見開いてこっちを見ていた。
「そういうことね。確かに克昭は分かり易いよね。」
「やっぱり気づいてたんだ。ってことは克昭に告白された?」
蘭華は催眠療法の時の光景を思い出し、あれが告白に入るのだろうかと腕を組んで考え込んだ。
「・・・あれ?違った?違ったんなら、ごめん。」
「告白という告白はされてないと思うけど・・・。」
慌てる宗佑と考え込む蘭華を見ながら克昭は首を傾げ、俺は蘭華に告白をしてなかったっけ?と考え込んだ。
俺は蘭華に告白をしたつもりでいたけれど、そうではなかったのかもしれない。
夢の中では何度も伝えた気がするけれど、あれはやっぱり夢だったのか・・・。
「悪い、俺、余計なこと言ったみたいだ。」
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