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克昭はずっと俺と視線を合わせることはなかったけれど、このまま壊れるのならそのほうがいいと思いながら2人が職員室を出て行くのを見送った。
「霧留君は何か話があってきたんだよね。ごめんね、急に頼んでしまって。」
「大丈夫です。ただ今回の追試がダメだった場合来月は面倒見れませんよ。12月に入ってすぐに向こうへ行こうと母と話し合って決めたのですが、大丈夫ですか?出席日数だったり問題があるのでしたらもう一度相談してきます。」
これでダメなら今日もう一度母さんと話し合わなければならない。
「あいつらのことは今月だけでいいよ。霧留君にも受験勉強があるだろうからね。本題に入るけど合格発表までは向こうに居続けるんだよね?」
俺は担任から聞かれたことに頷くと、ちょっと待っててと言って電話を入れると、学園長室に行くよと言って席を立つ。
エレベーター前に連れて行かれた俺は担任に促されるままにエレベーターに乗り込み学園長室のある4階へと移動した。
大きな扉を開けると目の前に机に両肘をついてこっちを見ている40代くらいの男の人が見えて、あれが学園長かと思う。
「失礼します。」
担任に続いて中へと入り扉を閉めた。
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