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優しそうに微笑む学園長が席から立ち上がり、テーブルとソファーがある手前に移動してきた。 「2人ともそこに座って。」 学園長と向かい合うようにして蘭華と担任はソファーに座ると、学園長と担任が蘭華の大学の話や出席日数の話などを話し合っていく。 口を挟めずに蘭華は担任の隣に座って2人の話を聞いているしかなかった。 「はい、決まりました。霧留君、12月からは学園に来なくても大丈夫ですよ。その代わり1度で大学に受かってください。学園側は優秀な生徒がいるという肩書きがあれば十分ですから。もし受からなかったら留年するということになります。」 学園長はプレッシャーを与えてくる。 言っていることはわかる、1度で大学への合格を果たせる自信があるのなら12月から卒業まで休んでいいということだ。 「それと、卒業式くらいは出席してくださいね。私からの提案ですがどうですか?」 「わかりました。その条件で大丈夫です。すみません来月頭から卒業式までの間休みます。卒業式には出席します。合否の通知はどうすればいいですか?」 蘭華は発表を現地で確認するため日本にはいない。 住所が日本で申し込んだために通知などの封筒が日本に届いてしまう可能性がある。
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