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考え込む学園長に母さんは父さんがアメリカで仕事をしているため、向こうにも家があることを話してないのかと疑問に思った。 「通知は日本に届くのでしょう?合否の確認が出来次第戻ってくると思うのでFAXしてくれればと考えたのですが・・・。」 「いえ、合否の通知先はアメリカにある自宅に変更をします。なので卒業式ぎりぎりまで日本に戻らないかもしれません。FAXは出来ると思うのでその時確認のために電話も入れたほうがいいですか?」 驚いた表情をする学園長を見て、母さんは父さんがアメリカにいることを学校側に教えてなかったのかもしれないと思った。 「霧留君はアメリカに自宅があるのですか?」 「あります。父が仕事で向こうにいるので。」 なるほど、と納得した表情になった学園長に、細かな説明は面倒だからと省くことにした。 「では向こうから合否の通知をFAXしてもらうということでお願いします。もうすぐ午後の授業が始まりますね。戻って大丈夫ですよ。」 話し終えた蘭華と担任は学園長室を後にして、教室へと午後の授業をするために向かう。 時間がかかるだろうと予測したのか担任は午後の授業の用意をしてから来たらしく、そのまま自分が授業をするクラスへと向かっていった。
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