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「行かなくても授業に含まれているんだからやるしかないだろ。」 苦しさを堪えながら精一杯の言葉を返す。 克昭は俺を追って来ることはない、そう思うと本当に高校を卒業してしまえば俺たちはもう関わることもなくなるんだと、自分で決めたことのはずなのに寂しくなる。 2人に基礎から教えながら、あと1ヶ月を切った僅かな時間を大切にしようと思った。 少しずつ克昭との間にあった蟠りがなくなっていくようで、最後の残された時間くらいは昔に戻ったような感覚も悪くないかもしれないと、普通に話していることが楽しく思う。 「さすが霧留だよな~。もしかして英語もペラペラだったりして・・・。」 「んなわけないだろ。俺使ってるとこ見たことねーし。」 「幼馴染の克昭が言うならそうなのか。残念・・・聞いてみたかったのに。」 そう・・・だよね、覚えているわけないか。 克昭の前で英語で話したことは実際あって、あんなに凄いとはしゃいでいた克昭が忘れていることにショックを受けるけれど、あんな小さな頃の記憶をいつまでも鮮明に覚えている俺のほうがどうかしているのだろう。 否定も肯定も出来ない俺はただ笑うしかなかった。 顔が引きつっていないかだけが気になったけれど、2人の表情が変わらないことを思うと俺は上手く笑えているみたいだ。
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