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蘭華は既に決めていた。 大学入学と共に自分の国籍はアメリカに決めようと。 これ以上克昭の隣にいることが辛いだけならば、日本に国籍を置いても意味がないのだ。 この学園は髪の色などは自由になっているため、卒業式はそのまま黒じゃなくてもいいだろうと俺は思った。 芳村とは家の方向が違うため、久しぶりに俺は克昭と家までの道のりを歩く。 「蘭華と帰るの久しぶりだな。お前は好きなやつに告白しないのか?」 「さあね・・・。無理だとはわかってるけど、言うだけなら言うかもね。まだわからないよ。」 伝えるだけならいいかもしれないとは思うけれど、それはどっちにしても月末か卒業式のどちらかになる。 そうか・・・どっちでもいいとは思うけれど、何もないというのも・・・。 だったらひとつの賭けにでよう。 伝わるかどうかは克昭次第だということにすればいい。 どうせ叶うことはない思いなのだ。 この先一緒にいることは出来ないのだから、せめてその思いを克昭の手元におくことにしよう。 それを作るのはまだ先になるけれど、賭けるのであれば月末がいいかもしれない。 克昭が俺のところにくることはないのだから、卒業式に反応が見れたほうがいい。
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