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壱那の家もいろいろと大変なんだなと蘭華は思った。
蘭華は次男なこともあり、跡継ぎとかの話はまったく縁がなかったけれど、長男だと面倒なこともあるんだなとため息をつきたくなる。
「BXPCっていってLJRCの子会社として日本に会社を構えてる。元はLJRCだから俺も中学1年まではアメリカに住んでたんだよね。」
「それ初めて聞いた。ってLJRCって父さんの会社だよ?」
壱那との意外な接点に驚きの連続だった。
本当に俺は壱那のことを何も知らなかったのだと改めて知らされる。
自分の境遇は本当に恵まれたものだったのだ。
「うそっ!?あれ?でも蘭華は跡継ぎじゃないよね?そうだ!蘭華、今度から内緒話したいときは英語なら聞き取れる人殆どいないから大丈夫だね。俺も英語話せるから。」
「そういう問題じゃ・・・。俺兄さんいるから跡継ぎは兄さんになってる。だから俺は好きなことやってられるんだよ。」
俺は兄さんに感謝しなければならないんだろうな。
今は日本での名前を使ってはいるけれど、アメリカに行ったら名前が変わるのだ。
「リコレット・フルスコーナ」
「ん?」
「俺のもうひとつの名前、リコレット・フルスコーナ。愛称リコル。」
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