【2】

2/39
300人が本棚に入れています
本棚に追加
/297ページ
夕方になって家に戻ることにした蘭華はまた明日と言って壱那のマンションを後にした。 家に帰り部屋の電気をつけると、着信が入る。 窓から隣を見てみると窓を開けて克昭がこっちを見ていることに気づき、電話には出ずに窓を一気に開けた。 「蘭華~!全っ然わかんねー。」 「はぁ?そういえばお前彼女は?それにその怪我どうした?」 どう見ても部屋には克昭ひとりで、今日も一緒にいるのかと思っていた蘭華はひとりで勉強をしていたらしい克昭に疑問に思う。 「あー、あの子家に連絡入れてなくて、朝送って行ったらあの子の父親に殴られた。もう彼女でもなんでもない。」 「お前は来る者拒まずかよ。女なら誰でもいいのか・・・。」 女なら・・・。 自分で言っておきながら、男の俺じゃ結局は恋愛対象として見られることがないんだ、と傷付くことになるなんてな。 「まぁ、女ならな・・・。男となんて気持ち悪いだろ。それより勉強・・・って蘭華!?お前顔色悪いぞ!?大丈夫か!?待ってろ、今そっちに、」 「いい!!休めば大丈夫だから!今日は寝るから、またな。」 思い続けた男に気持ち悪いと言われただけで、ここまでショックを受けるとは思わなかった。
/297ページ

最初のコメントを投稿しよう!