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俺は窓を閉めてカーテンも閉め、部屋の電気を消した。
このまま克昭のことが思い出に出来たらいいのに・・・。
それでも、俺は男を抱ける人間だから、克昭に知られる前に、離れるのが一番だ。
もう少し、卒業まで知られずに居られたら、なんとかなるはず。
ごめん、克昭・・・好きになってごめん。
気持ち悪くてごめんな・・・。
だから、卒業を最後にもうお前に関わらないようにするから・・・。
明日もまた壱那の所にいくから、お風呂にいかなきゃ・・・。
そう思ったのを最後に俺の意識は途絶えた。
目を覚ました時には外は明るく、時計を見ると8時になるころで、待ち合わせ時間は何時だったかと携帯のメッセージを確認すると、10時になっていてホッとする。
慌てて風呂場に行きシャワーをして、準備をしていく。
自分の勉強道具も一応あったほうがいいかもしれないと、バッグへ詰め込み玄関を出た。
「蘭華!?お前、もう、大丈夫なのか!?」
「大丈夫・・・だと、思う。」
会いたかったけど今はお前にだけは会いたくなかったよ。
お前のせいなのに、なぜ心配するのかわからない。
八つ当たりだとわかっていても、口には出せないけれど、どうしても責めてしまう。
無神経な克昭は嫌いだ。
でもその何十倍も好きなんだ。
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