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次の日の昼休み、蘭華は屋上で壱那と一緒にお昼を食べていた。
「蘭華、昨日大丈夫だった?」
心配してくれる友人がいるってことはいいことだなと蘭華はしみじみ思いながら頷いた。
「もう2週間くらいしかないからね。今一緒に居られる時間を大切にしようと思う。月末に手紙を渡そうと思うんだ。全部英文にするけど、賭けだよね・・・、でも、克昭が諦めて解読出来なくても、それはそれで仕方ないと思うし、解読出来たとしても嫌悪感抱くこともあるかもしれないし。結局卒業と同時に関わりが終わるからいつかは解読してくれたらいいなって願いはあるかな。」
「蘭華はそれでいいの?だって、届くかどうかもわからないのに・・・。」
俺はもう決めたことだからと壱那に笑顔を向けた。
そんな俺をみた壱那は笑顔を返してくれる。
「もう俺は大丈夫だよ。壱那のおかげかな。ありがとね。」
「何最後みたいなこと言ってんの?俺は蘭華の友達やめないからね。」
壱那は強いなと蘭華は思った。
自分は克昭の言動に勝手に振り回されて、傷ついたり落ち込んだり、切なくなったりで結局は逃げるようにアメリカ行きを決めてしまったのだ。
同じ大学に行くと張り切っている克昭に一言も告げることもなく。
俺が同じ大学に行かないことにいつ気づくだろうか。
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