【2】

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大きなため息をついた芳村が片肘を立てて頬杖をつき克昭のほうを見た。 「自覚なしか。今まで誰と付き合っても長続きしなかっただろ。それは本気で好きじゃなかったってことだ。同情か、身体目当てかって思われても仕方ない。なんとなくだけどな、克昭はどこかに本命がいるんじゃないかと見てて思ったわけ。まぁ、後悔しないことだな。」 「あはは。んなわけないだろ。宗佑の思い違いだ。俺は後悔なんてしないよ。」 なるほどな・・・、克昭が今までの彼女と長続きしなかったのは他に好きな人がいるからだったのか。 俺が見てきた中では克昭が誰かを好きになってた様子はなかったけれど、俺にも気づかせないようにしていたのかもしれない。 他に好きな人がいたんじゃ、最初から俺は失恋していたんだな。 胸がズキリと痛み締め付けられていくのを無理やり閉じ込めて気付かない振りをした。 1時間はあっという間で俺と克昭は校門前で芳村と別れ、2人で家への道を歩いていく。 「俺、追試大丈夫かな・・・。あー不安になってきた。全部60点なんて無理だろ・・・。」 「何言ってんの?普通に授業受けてれば解ける問題ばかりだからな。」 なんで60点が取れないとか今更悩んでるんだか・・・。 普段から出来ないなら勉強してればよかったんだ。
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