貫いた嘘と真実④ 

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「…何でこっちに?」 昔の話題は避けたくて、隆二の話をスルーする。 ワインに口をつけると、「うま~っ」と声を高くする隆二。 物足りないのか、再びワインをグラスに注いだ。 「こっちで脳卒中学会があんの。 怜斗がボストンにいるって聞いて、ついでにな」 脳卒中専門医師の隆二。 冬こそ多忙な時期だというのに、疲労を感じさせない隆二はタフな男だ。 「いつ帰んの?」 「明日。もうちょっとゆっくりしたかったんだけど、患者が待ってるからね」 そう言うと、どこか嬉しそうに鞄から缶詰類を取り出す。 「今日は飲もうぜ! 俺、お前に会うの、すっげぇ楽しみにしてたんだからな!」 変わらない隆二の笑顔に、胸が熱くなった。
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