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「…と…怜斗っ!」
目を覚ました時、身体は極度に酷使されていた。
声にならない悲鳴。
飛び上がるように起きると、一瞬で現実の世界へと引き戻された。
「はぁっ…はぁっ…」
不規則に乱れる呼吸が静寂の夜を荒々しく包む。
首を締め付けられるような息苦しさは俺をどこまでも追いかけてくる。
震える身体を制御しながら、呼吸を取り戻すように息をした。
「……お前、大丈夫…?」
隆二は声を震わせながらそう言うと、泣きそうな顔をした。
寝具はぐっしょりと濡れており、全身に滲み出る脂汗がその苦しさを物語る。
ようやく呼吸が落ち着いた時、俺は隆二を安心させるように口元を緩ませた。
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