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風呂から上がると、あらかじめ電源を入れておいたヒーターの前へ足を進めた。
しばらく身体を温めた後、重たい腰を起こして狭いキッチンへと向かった。
節約のために始めた自炊。
ここへ来て覚えた料理は、数年も経てば手際よくできるものだ。
一間のボロアパートに冴えない食事。
留学生に余裕なんてないから当たり前だけど、この日常化した生活も悪くないと思える。
今の俺にはこの生活が丁度いい。
むしろ、似合っている。
郊外から遠く離れた場所を選んだのは、単純に、緑溢れる閑静な住宅街を気に入ったから。
大学まで往復約二時間の通学。
冬の日は凍え死にそうな寒さが襲ったけれど、今ではそれも懐かしい思い出のひとつとなった。
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