第十章 調査団の報告会

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 「その資料にも巨大な爪で引き裂かれたような、あ、シマウマの縞模様でしたね失礼。交互に地面の削られたところやそのままになっているところが確認されました。こちらは引き続き詳細なデータを照らし合わせ、地理に詳しいの者の意見を聞きながら調査を行っています。あとはこの現象が時魔導士によるものかについてですが、現地の噂によると素性の知られていない老年の魔法使いの男が時折砂漠へ出かけて行くのが目撃されており、モンスターがいなくなったのもその男があらわれるようになってからだと言われています。こちらはまだ不確定な要素が見受けられますので今後現地へ赴き調査をする予定となっております。」  女性が次の報告へと話題を移そうとした時、法衣を着た男が一旦話を止めた。少しだけ前に身を乗り出し会場の奥よりも更に奥の方へと話しかけるような感じで言った。  「話の途中だが、総司教様より御指示を賜りました。エリア10のだいしゅうきょう、あ、間違えた、大司教よ。今噛んだのは総司教様ではなくそれを聞いた私だからな。で大司教よ、今の話を聞いておったか。この件は壊滅した聖都モヘンジの謎を解く上でも重要な手掛かりになりそうだ。調査団への協力を惜しまぬようにとのこと。必要があればエリア10の者を現地に派遣し平行して調査を行って調査団と意見を交わすこと。以上。では調査団よ、話を続けてくれ。」
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