0人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
入学式の日。
オレは校内のベンチで、眠っている女の子を
見付けた。
遠目だから顔はよく見えない。
先輩かな?
緊張していたということもあり、オレは深く
考えずに昇降口へと向かった。
教室に知り合いがいないオレは、やることもなく
一人教室を見渡す。
すると、空いた隣の席が目に入った。
入学式をサボるなんてことはないだろうし…
休み、か?
そんなことを考えていると名簿順に自己紹介が
始まる。
「藤井秀也(フジイ シュウヤ)です。
家が遠いので今は一人暮らしをしています。
オムライスを作るのが得意です。
よろしくお願いします。」
…よし。
スムーズに話すことができたことに満足しながら
オレは椅子に座った。
空いた隣の席の人の番になると、教室が静まり
返る。
「…あー、次は」
ガラッ
先生が口を開くとそれを遮るように教室の前方の
ドアが開いた。
最初のコメントを投稿しよう!