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その後は意外にもあっさりだった。
大口を叩いていた割には、大事に発展することもなく。
むしろ、「娘が悪かった」と、役員に謝罪される始末。
どこかで一連の騒ぎを小耳に挟んだのだろう。
これであいつらも、いい方向に向かってくれればいいんだけど。
「あれから来ないね、白河さん」
仁野が悲しそうにつぶやく。
「…そうだな」
週明けの社食は相変わらず混んでいた。
あれから一週間が経ったというのに、彼女は一度も社食に足を運んでいない。
「俺…慣れ慣れしかったよな。
あー…謝りたい」
仁野は彼女にしたことを相当悔やんでおり、彼女の立場を悪くさせてしまったことに責任を感じていた。
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