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「おい」
しんと静まり返る社食内に、それは大きく響いた。
「三対一とは陰湿だな?
輪の中に入りやすいように誘っておいて一気に集中攻撃か?
そうやって群れて嫌がらせしかできない女を見てると反吐が出る」
イライラする。
彼女を傷つけた陰湿女たちより、こんな方法でしか彼女を擁護できない自分に。
「な…楢崎主任…」
鋭い目つきで睨みつけると、三人組が息をのむのがわかった。
あんなに騒いでいた女たちが水を打ったように静まり返った。
「す、すみません…」
気弱そうな一人が俺に頭を下げる。
「俺に謝るな。
謝る相手が違うだろ」
「何で庇うんですか?
冗談ですよ。
本気でいじめていた訳じゃありませんから。
それに、楢崎主任だって不利な立場になりたくないでしょう?
私たちにそんな口叩いて、どうなるかわかっているんですか?」
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