18.二度目のサヨナラ

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「逆に不利になるのはどっちだろうな?」 鼻で笑ってそう言うと、女たちは顔を青くする。 「す、すみません…。 でも、本当に冗談で、本気でいじめようと思っていた訳じゃ…」 突然泣き出す女を相手に、無表情を貫く。 こんな女がいると思うと、女に対して嫌悪感しか生まれてこない。 昔の俺ならこんな嘘泣きを見抜くことができなかっただろう。 女性が泣いても取り乱さず、その上何も感じないだなんて、非情な男に変わってしまったなと自分でも思う。 あざとい奴らにうんざりしていると、そこで関係のない男性社員が割り込んできた。 俺をよく思ってない奴がいるとは聞いていたが、怒りの感情より簡単に騙されるこの男を見て、逆に同情の念を抱いた。 先輩らしいが関係ない。 男に一喝し、再度三人組に向き直る。 「嘘泣きに騙されると思ったか? お前らのことだからそれも常習犯なんだろ? そんなクズは会社の役に立たない。 辞めてしまえ」 社食内はさらに凍りついたけど、そんなことを気にも留めない俺は、何事もなかったように仁野が待つ席へ戻る。 「珍しいな。怜斗が女相手にムキになるの。 むしろ、初めて?」 含み笑いを漏らす仁野をよそに、素知らぬ顔で食事にありつく。 仁野は何かを見透かしたように笑っていたけれど。 これで彼女に危害を加える奴はいないだろう。 もし現れたら、俺が排除するのみだ。 逆に悪目立ちさせて申し訳ないけれど、彼女が少しでも働きやすくなってくれたら、それでいい。
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