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「え?」
「…いや、別に?」
しれっとした顔でそう言うと、仁野はそれ以上追及してこなかった。
「今日も混み過ぎ。
こんなことなら、外に出ればよかったかな。
ほら、怜斗も突っ立ってないで、早く空席探せって」
「ああ」
そう返事して、辺りを見回したその時、
突然、彼女の姿が視界に入った。
彼女の隣には神谷センター長もいる。
周囲の女子社員がざわつき始めた。
神谷センター長が社食に来るなんて、滅多にないことだ。
昔から社内の女子から絶大な人気があった。
優しくて、仕事もできて、全てにおいて完璧な人だと。
その若さでセンター長に就任しただけあって、視野も広く、頭が切れる人物だ。
過去に一度、仕事をしたこともあるからか、神谷センター長に関してはよく知っていた。
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