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神谷センター長のことだから、心配になった彼女のことが放っておけなくて、社食まで連れ出してきてくれたのかもしれない。
神谷センター長と向かい合い、談笑しながら食事をする彼女を見て、ほっと胸を撫で下ろした。
彼女の笑顔を見ると安心する。
遠くでしか、彼女を眺めることができないなんて。
彼女が俺の隣にいないなんて。
彼女と別れて八年が経った今。
過去を思い返してみると、俺が今いる場所は八年前に描いた未来とは違う。
皮肉だなと思うけれど、全ては俺が招いた結果だ。
本音を言えば、最後くらい、君を抱きしめたかった。
見守ることも愛ならば、それでいいのかもしれない。
愛し方なんて、人それぞれだから。
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