獣人娘（仮入居）と旦那様 外伝みたいな何か

チラシには夢が載っているものです

「……何だこれ？」

「婚約指輪です！！　こっちの世界ではなるほど夫婦間ではこんな物をつけるらしいではありませんか！！」

自信満々な顔で、尻尾で床をタシタシと叩きながら興奮するリーニャ。　なるほど、確かに世間一般の夫婦は婚約すれば指輪を購入するだろう、それは指につけたり、ネックレスにしたり、大切に保管したりするものである。　そうではある、が。

「いや、お前ただの居候じゃん、しかも仮入居の」

「そこ言われるとぐうの音も出なくてキャット悲しいです」

しょんぼりとした表情でご飯を食べるリーニャ。　ああ、無謀なお願いだって自覚はあったのか。