目覚めた時

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 そこで今だ。  俺は黒白カラーな母親から、5匹兄弟の末っ子としてこの世に生を受けたらしい。しかも、皆色柄が様々だ。  どうやら父親は虎猫だったらしく、漸く視界が確立されてきた俺は、自分が虎猫だと気付いたのである。うん、グレーベースの虎猫。  まぁ、悪くない。  兄弟の柄は黒と黒白、三毛に白、そしてグレー虎猫の俺。中々にカラフルだな。  しかも名前が安易。色のままに上からクロ、ブチ、ミケ、シロ、トラと呼ばれている。勿論、俺がトラだ。  ここで間違っちゃいけないのがアクセントだな。“ト”にアクセント核をおいてほしい。決して虎ではないからだ。  とまぁ、能書きを垂れたが俺は猫である。─そんな題名の本もあったが、そんな事はどうでも良い。  何故かって?  そんなの決まってる、猫達は誰も知らないからさ。
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