0人が本棚に入れています
本棚に追加
最近、私には新しい家族ができた。
帰ってくるなり、お母様とお父様は私にその子を見せて「仲良くするんだよ」と言った。
でも、私は仲良くなりたいなんて思わない。
だって、今まで私の特等席だったお母様の膝の上に堂々と寝そべり、「にゃあ」と甘い声を出して可愛がってもらおうとするの。憎らしい子。
だからお母様の膝の上に乗ったら、私はお父様の膝の上に座るの。
そうするとお父様は頭を優しく撫でてくれる。
でも、それを見てあの子は羨ましくなって私が乗ってるお父様の膝の上に乗ってくるの。
「私がいるのだからダメよ!」と怒ると、耳を下げて逃げる。
そうすると怒られるのは私。お父様もお母様もあの子に甘すぎるわ。
私が先にこの家にいるのよ。私の方が偉いんだから。
あの子が話しかけてきたから、私はふんっと鼻を鳴らして無視をしたわ。
そうしたら私に媚びを売るように擦り寄ってきたの。
だから私は思わず怒ったわ。
「寄らないで!」
そうしたらまた耳を下げてピューっと逃げて行ったわ。
いい気味。
お母様もお父様も新しく来たあの子ばかり構って、前より構ってくれなくなった。
なんであんな子連れて来たのかしら。
私がムッと怒っていると、お母様は微笑みながら頭を撫でてくれた。
笑ってる場合じゃないのよ、お母様。
なんて言いたかったけれど、お母様の手が気持ち良くってどうでも良くなった。
最初のコメントを投稿しよう!