第一章

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聞き覚えのある声、そう思うより早く。 目を開き声のした方を見ると。 「やっぱり!リン…!」 あれから9年。 髪の毛を短く切った。服の好みも少し変わったようだ。した事無かった化粧もしてる。 でもよく似合ってる前髪と、小柄な身長、そしてこの優しい温もり。 何一つ変わってはいない。そう思った。 目の前に、彼女がいた。 もう、ずっとずっと想い続けている愛しい女性。 誰よりも会いたかった、そしてその声が聞きたかった。 「……ヨクレ。」 驚き、動揺……上手く声になっていなかったかもしれない。 だが仕方がない。そこにいたのは紛れもなく彼女だ。
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