第一章

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もう何年経っただろうか。 小学校からずっと一緒だった親友、アイリの訃報を聞いた。 性格は温厚、ずば抜けて癒し系、人懐っこくて人気者。頭の周りに花がたくさん舞ってるように見えなくもない。その癖学校の成績は優秀、常に学年2位。 男なのに髪の毛は長いし、生まれつきのメッシュで不良っぽいしで服装検査はいつも危うかったが、 成績も授業態度も出席日数もとにかく真面目だったため先生は笑って誤魔化していた。 そういえば、音楽は苦手だった。かなりの音痴だった。吹奏楽部に何度誘われてもその度に逃げ、聞けばボランティア部らしい。自然が大好きで、純粋で、優しいアイリにピッタリだった。 遠くから転校してきて訛りはものすごいけど、それが好きだった。
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