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彼の死から9年…。
未だに信じられない。信じる気になれない。
あのときアイリを行かせなければ。
アイリと一緒に行っていれば。
そう思う度に、拳に力が入った。
それでも命日には必ず墓参りに向かった。どうしても仕事が休めなくても、後日向かい墓前で手を合わせた。アイリが好きだった木の実をたくさん供えてやった。どうせカラスが盗って食べるんだろうが、それでもアイリが喜んでいるような気がして。
今日はアイリの命日。
アイリのお気に入りの木の実を買って、袋に入れて綺麗にラッピングして、気休めにもならないが色紙で折った鶴を一羽、添えてやる。
いつもそうしていた。今日もそうするために、仕事を休んでスーパーへ買い物に行く途中。
たまの休日とは言えこの日は毎年気が重い。アイリの死を認めなければいけないからだ。
スーパーでいつもの木の実を買った後、店を出て歩いていた。
「リンくん…?」
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