―祝福される関係―

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婚活には、あまり身が入らなかった。 当然かもしれない。 必死になってる周りの女性たちとの温度差も、ひしひしと感じた。 本腰入れないと、いよいよヤバい年齢に差し掛かっているのは、わかってたのに……。 そんなふうにフラフラしてた頃 〝優しい方ですよね?見てるとわかります。 困ってる人がいれば、放っておけないタイプでしょう?〟 私に対して、そんなふうに言ってくれる男性に出会った。 誰かに、そんな評価されたことなんてなかったから、どこで何をしてるところを目撃されたのかわからなかったけれど 〝なんだか羨ましいです。 僕は、周囲の状況に無頓着な人間なので 人が困っていることにさえ、気づかないことが多くて…〟 温和な表情と、穏やかな口調で、そう言われた時、悪い気はしなかった。 おせじとかじゃなく、本心からの言葉だって…すんなりと信じることができた。
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