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「そっちは?どうするの?
明日の朝、何時頃ここを出る?」
聞いたら
「んーアレ?何時だっけ?はじまるの」
あいかわらず、スマホ画面に目をおとし、軽く指先を動かしながら、適当な感じで返してきた。
「披露宴は11時からだけど、式にも来てもらいたいから9時までには会場に着いてて欲しいの。
私、招待状に書いたよね?ちゃんと見てくれた?」
「あんま見てない」
スウェットパンツのポケットにスマホをしまいこんで、相手が顔をあげる。
「ほらぁ!」
殴りかかろうとした手をとられ、そのままフワリ…抱きしめられた。
「つらくて見れねーよ、オレ、あんなの」
私の首筋に、顔を埋めるようにして、ポソリ。
肌にかかる吐息がくすぐったくて、思わず肩をすくめた。
「……やめて、よ………」
本当は、幼なじみなんて、単純な関係だけじゃない。
私の初恋相手で、初キス相手で、初体験相手。
つまり、彼氏。
ずっと今まで、今日の今日まで、恋人…だった、男。
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