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えと……これ、どういう状況だっけ?
私が目を開けるとそこには、私の首を吊った体が、小さな部屋の天井からぶら下がっていた。
…………そっか、私、自殺したんだ。
家にも学校にも、世界のどこにも自分の居場所が見つけられず、思い詰めて首を吊ったんだっけ。
変な気分。
自分の意思で動いていた体はただの空っぽの容器となり、役目を強制的に終了して宙にぶらぶらと揺れている。
「あ……」
視線を感じて振り向くと、ママが目を見開いて私の体をジイッと見つめていた。
そういえば、別れの挨拶もなければ遺書も残さないで死んでしまった。
何も言わずに勝手に死んじゃってゴメンね、ママ。
とー
ママはスマホを取り出し、おもむろにどこかへと電話をかける。
「ああ、私よ。
聞いて……実は娘が死んだの。
うん、どうしてだかわからないけど、勝手に首を吊って死んだみたいなの……
ねえ、これでコブがとれたわけだから、私と一緒になってくれるわよね?
もっとデキのいい子供をこしらえて、仲良くやりたいわ……」
……ママ。
私の中で、抱いた経験のない何かが生まれようてしていた……
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