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「おーい白夜、飯できたから来い!」
俺が凌駕の手を取ってから三日が経過したこの日、俺は、あの日からずっと自分に与えられた部屋のベッドに入浸り、いつも窓の外の一点をただぼーっと眺めていた。
俺は、食事をとる為に一階にあるリビングに行き、ダイニングテーブルの席についた。
「様子はどうだ?少しは…落ち着いたか?」
いつも、そう俺を心配してくれる凌駕。俺は一体今まで彼とどんな関わりを持っていたのだろうか…
「少しは…落ち着いた。」
「そうか…それじゃ、冷めないうちに飯、食いやがれ」
そう言って凌駕はまた、あの時みたいに優しく柔らかい笑みを俺に見せる。どうしてそこまでしてくれるのだろう… そんな中、何も出来ない自分が?"惨めで申し訳ない"
「ごめん。全部任せて…何もせずにいて… すごく迷惑かけて、未だに何も思い出せないし凌駕と俺との関係も思い出せなくて…ごめっ」
「いいよ…しょうがないんだよ…あの時の出来事はお前にとって衝撃的すぎた…記憶がなくなってもおかしくはないようなことだったんだ…」
そう告げる凌駕の顔は悲しそうな、寂しそうな顔をしていて…
あの時、何があったのだろう…
俺の疑問は、尽きないままである。
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