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用事を終えて、教室にへと戻る
あいつのことだ…待たせていたことに対して、きっと何か奢れとでも言ってくるに違いない
卑しいやつだ……と、本人のいない所で笑ってしまう口元を手でおさえ廊下を素早く早歩きする
窓から見える夕日や、部活をする学生の声に……目を背けてただひたすらに奴の待っている教室へと急ぐ
教室に近づくと聞こえてきた声に足が止まった
「私、犬馬君の事好きなの…付き合ってもらえますか?」
聞こえたその言葉、ピタリと止まってしまった足
「ごめんなさい…突然で、返事は今じゃなくてもいいの!」
そう言って俺の目の前を駆けていった、その女の子の背中…何故かその背中を見ると無性に胸が熱くなるのを感じた
少し重たい足を上げて、一歩一歩を噛みしめるように踏み込む
「あっ犬熊~!遅いじゃんか、少しって言ってのに……何十分待ったと思ってるだ全く!!」
「すまん、色々頼まれていたから…」
教室に入るなり、奴は帰り支度をすませて俺の鞄も持ち立ちつくしていた
にしにしと変な笑い方をして、いつもとは違う雰囲気を出す犬馬
「……さっき、走っていった女子…どうするんだ」
「犬熊、さっきの聞こえてたの!なんか恥ずかしいなぁ~」
鞄を握りしめて体を左右に振る犬馬に、何故かイラつく自分がいる
小声で「俺の鞄だぞ、それ」と言えば、笑いながら軽く潰された鞄を差し出された
「……告白受けるのか?」
言いたくない言葉なのに、スルリと口から出てきた言葉に自分自身で何故かすごく苦しいと感じた
「いや、断ろうと思ったよ?てか、お前…なんちゅう顔してんのさ」
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