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心地よい日に当たり、程よい暖かさにポカポカ
昼休み後だったのもあり、満腹の状態の俺にはそれはそれは楽園の様な心地のよさで睡魔が俺を襲ってくる
寝てはダメだ、寝たら怒られるぞ!とは言え、この暖か……
「…き、やま……牧山!起きろ!」
「はい!!」
大きな声で自分の苗字を呼ばれて、飛び起きるように椅子を投げ飛ばして立ち上がる
眠たさに、頭が回らない中……俺は自分の今いる状態に気づいた時にそれは遅かったのだ
周りを見渡せば、ぽかんと口を開けたり…不思議そうにこちらを見る者……中にはクスクスと笑う奴も居た
「……この問題の答えを、言ってくれるかな?牧山君」
そんな中……平然とした表情の数学の教師、宇野先生は腕組みをして黒板の前に立っていた
「……すみません、分からないです」
「何でだ?さっき俺は分かるように例題を解いてたのに、もしかして聞いてなかったのか?」
じっとこちらを見る目線は痛く、目をそらそうにも窓……かと言って逆を見れば他のクラスメイトからの目線。なんなんだこの、公開処刑
いっそのこと、怒ってくれればいいものの……煽ってんのか。この男は俺を煽ってんのか!!
「…て、ました」
「牧山…もう少し大きな声で」
「ね、寝てました!って言ったんですよ!!」
俺の半ギレの声に、周りの奴らは何故か大笑いし…てめぇら笑った奴ひとりひとり顔覚えてやろうかこの野郎が……
その周りに対し、宇野は一言「うるさいぞ」とかける……さっきよりも静かになったが俺は未だ、クスクスと笑う奴を睨みつけて
小さくすみませんでしたと呟いて、俺は音を立てぬように静かに席につく
そしてまるで、先程の出来事はなかったかのようにそのまま授業は続行して授業終了のチャイムが鳴った
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