年上×年下

3/3
29人が本棚に入れています
本棚に追加
/58ページ
今は俺の上司じゃないんだから、って言うのはまた違って言い方に困り黙り込んでいれば いつも真面目な顔した宮谷さんが、小さくも微笑んでその表情に少しだけドキッとしていたら 「わかった、じゃあ…笹木と帰りたいから待つことにするよ……」 「はぁ?」 思わずいつものよう言い方で返してしまい、うわっと思いながら口元を押さえチラッと宮谷さんを見れば クスクスと笑い、面白そうに俺見る 「笹木ってそんな顔するんだね…」 「……そんなって」 笑う宮谷さんを真面目な顔をして見てれば、頭を優しく撫でてきてパッとすぐにも手を離されて 「早く終わらせなよ、笹木…それじゃあもっと帰るのが遅くなるからさ」 「あ…えっと……はい」 静かで少し暗い仕事場の中で宮谷さんの小さな鼻歌と俺のキーボードを打つ音だけが聞こえる あなたが俺を待っている時、どんな気持ちで俺を見てるのかなんて分かるはずもなかった 年上×年下end
/58ページ

最初のコメントを投稿しよう!