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今は俺の上司じゃないんだから、って言うのはまた違って言い方に困り黙り込んでいれば
いつも真面目な顔した宮谷さんが、小さくも微笑んでその表情に少しだけドキッとしていたら
「わかった、じゃあ…笹木と帰りたいから待つことにするよ……」
「はぁ?」
思わずいつものよう言い方で返してしまい、うわっと思いながら口元を押さえチラッと宮谷さんを見れば
クスクスと笑い、面白そうに俺見る
「笹木ってそんな顔するんだね…」
「……そんなって」
笑う宮谷さんを真面目な顔をして見てれば、頭を優しく撫でてきてパッとすぐにも手を離されて
「早く終わらせなよ、笹木…それじゃあもっと帰るのが遅くなるからさ」
「あ…えっと……はい」
静かで少し暗い仕事場の中で宮谷さんの小さな鼻歌と俺のキーボードを打つ音だけが聞こえる
あなたが俺を待っている時、どんな気持ちで俺を見てるのかなんて分かるはずもなかった
年上×年下end
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