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雲一つない晴天、そんな気持ちの良い空を見上げて視線を落としてみれば
「よう、ゴリラ」
俺より5センチは小さい、赤桐が俺を見上げながら憎たらしい表情でそう言ってきた
「よう、チビちゃん」
ゴリラ対しては、全く触れずに言い返してやったら憎たらしかった顔から眉間にしわをぐっと寄せなにかを言いたそうにしている
それを見て、にっと口角をあげてみれば
「5センチごときでチビって言うんじゃねぇよ、青桐!」
「なら、その5センチごときで俺をゴリラって言うんじゃねぇ」
言いながらも目の前の赤桐の頭をわしゃわしゃとかき回し、学校の方へと小走りに向かえば
雛鳥が親鳥を追いかけるように、ちょこちょこと後ろをついてきて可愛いなと思ってしまった俺がいて
「ついてくんるなよ、チービ」
「はぁ!?ついて行ってんじゃねぇ、学校が同じなんだから仕方ねぇだろうが!!」
学校につくまで悪口を言い合う
「よぉ、桐コンビは今日も仲良しに二人で登校か?見せつけてくるなぁー」
「「見せつけねぇよ!!」」
教室に入るなり、佐藤がへらへらと気持ち悪い表情で俺と赤桐を交互に見ながら言ってきてムカついた俺は赤桐と同じことを同じ声の大きさで言って
ハモった瞬間にバッと顔を合わせ、まるで威嚇するかのようにうなり声を上げながら睨み合う
「なんで俺と同じこと言ってんだよ!このゴリラ野郎!!」
「うっっせぇよチビ!!!つか、俺の隣にくんなよ」
「はぁ?」
「チビがもっとチビに見えるからだよ、そんなのも分かんねぇのかよ…背もチビなら脳も小さいんですねぇ~」
口元を押さえながら、あざ笑うように言ってやれば赤桐は真っ赤な顔をして俺につっかかってきて
「うるっせぇ!!それ以上言うとぶん殴るぞくそゴリラ!!!」
「お、お前ら先生来るから殴り合いだけはやめろよぉ!」
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