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うつむいたオレの頭をそっと撫でた凪子先輩は、そのままスライドさせた手のひらで顎をすくった。
「あ ちょっ… 」
「にゅふふふふ」
まるで、猫にするみたいにオレの顎の下でコショコショと指を動かした凪子先輩は悦に浸っている!
…ああ、いい…じゃなくてさぁ!!
「ちょっと! オレ真面目に聞いてるのに! からかってるなら帰ります!」
凪子先輩は、オレの好みドストライクだけど真剣に相談してるのを茶化すのはいただけない!
オレがその手を振り切ろうと思ったとき、凪子先輩の桜色のくちびるが動いた。
「弟くん、鳥…いえ、虫…なんでもいいから何か『獲物』をお兄さんから貰わなかった?」
『獲物を貰う』
その言葉に、先日の出来事を思い出す!
アイツめ!
人が寝てる時に半殺しにしたゴキブリを額に乗せて、それに気が付いたオレがパニックを起こしているのを優雅に食卓机の上から眺めてやがったけ…!
それだけじゃない!
オレがまだ3歳くらい頃には、庭に迷い込んだ蛇を仕留めて危うくオレがしゃぶりつくところを間一髪で親父が止めた事があったらしいことも…!
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