いつか見た夕焼けはあんなに綺麗だったのに

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いつか見た夕焼けはあんなに綺麗だったのに

『何度目だろう この丘に登るのは 何度目だろう この景色を見るのは』 そう言いながら僕は丘を登る 『毎日登っているからわからなくなったよ』と笑いながら独り言を言う そんなに大きな丘ではないので頂上に辿り着き僕は座り込む その頂上から見える景色は夕日で照らされた街 小学生がランドセルを背負いながら走って帰ったりサラリーマンが電車で帰ったり平和な景色 『君はこの景色が好きだったな 夕日で照らされた街を見るのが好きだったな』 懐かしそうに言う 『昔よく君と一緒に登ったな あの頃は若かったね 景色を見る度君の手を握っては将来の事を語ったり君の事好きと言ったり・・・ 今思うと恥ずかしい思い出だよ』 照れ笑う僕 『それにしてもこの街も昔と違うね』 そう言うと一筋の涙が出る僕 すると綺麗な街は荒廃した街になり人っ子一人いなさそうなゴーストタウンとなる 僕の横には半壊した十字架 『僕以外の人や動物が居なくなった世界は寂しいよ』 そう言って僕は十字架にもたれかかって1人泣いた
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