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夏祭り当日。午前。
ミヤが用意してきた服は、
「案内係のユニフォーム?」
かなり大きなお祭りだから、迷子だって出てくる。
迷子の案内や会場の案内含め、雑事はいろいろある。
デパートの案内係みたいな可愛い制服。
「かわいい~」
ミヤは、大祭の時と同じ将族の服装。全く同じではないけど。
「宮服より、こっちの方がなんかしっくりくるね」
というと、
「ん?そう?」
と言って、
「まあ、前は宮服より将族の服ばっか、着てたしね」
「こっちの方が楽?」
「楽だねえ」
室内で座る際に、背中から剣を外して後ろに置く。
「本物?じゃないよね?」
触ろうとすると、ミヤがさっと取って、手の届かないところに置いてしまった。
「姫は触らない方がいいですよ」
先生が珍しく注意する。
「怪我するから」
ミヤも。
おもちゃなんかじゃなく。
「普段は持ち歩かないけど、ね」
「文官がこんなの持ってたら、治安が悪いのか、てなるからねえ」
村にいたときは、武道とは全く縁がなかった彼が、剣を扱う術を体得している。
それがどういうことなのか、よく分からないが、そういうものだと認識せざるを得ない。
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