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御所の一般用入口の脇を馬車で通り抜け、東宮坊の近くのキイズ家専用の車寄せで下ろしてもらう。
東宮坊からほど近い研究室に最初に向かい、みんなの様子を見るのが日課だ。
この時間、ミヤは、会議をしていたりするので捕まえにくい。会議がなければ、後涼殿か清涼殿のどちらかにいるだろうが、ミヤはリーナの居場所をGPSのようにリアルタイムで把握しているので、会いに行くより来てもらった方が早い。
大人しく研究室で今日もヘルプデスクをする。
姫が来たら、休憩をとる。と言うのも最近の日課になってきて、13人とお茶をしながら、ちょっとしたミーティングを兼ねている。
話が脱線して、みんなの興味がミヤと自分の話になることもあるが、それも最近は落ち着きつつある。
ミヤが何も決めていないのだから。
キイズの仕事として、現在は特別大きな問題もなく、平均的に国全体が貧しく、年5~8%で国力回復を目指す、と言うところである。
緩やかに大きな船が動いているイメージ。
夏の降雨量や気温などが気になるが、それは他の家の仕事である。
キイズ以外の他4家が、どんな仕事をしているか、実はよく知らない。
学校近くの神社で会った二人も、こちらの関係者だろうが、どこで何をしているのか知ることもないだろう。
南衣がリーナという名前を持つように、彼女たちもここでは別の名前を持っていて、
自分のように何かしらの"お立場"を持っていても、おかしくないのである。
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