TK=Traveling of the King(王の遊行)

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リーナは先生をちらりと見る。 微笑むだけで何も言わない。 夫婦だから主上はOKで、ミヤとあたしは… 「コウホって何ですか?」 「"候補"は、お妃候補の"候補"です。」 ヨコシマが説明する。 「まあ、婚約とはちょっと違うような気もしますし、つがいなら、候補というより、」 ヨコシマが言葉を濁す。 「扱いは、違うよね」 ミヤギも言葉を避ける。 みんなが避けてる言葉。 「ミヤウィル(宮妃)?」 シーンとなる。 「皇妃が不在で、と言うことは、本来皇妃がやるべき公的行事がくるよね」 「皇妃が不在の理由を宮様自身が容認しているんだから、逃げられないし」 「今までは二人とも、いません。で通してきた分、いると分かれば準備も早い」 「へぇ」 段々、他人事になってきた。 「姫はどうしたいの?」 いきなり脇から攻撃される。 う、うーん。 「わかんない」 公的行事はもっと… 「子供のできる仕事ではないんじゃないかな」 ミヤがお願いしてこないんだし。 "やれることから" "ちょっとずつ" だし。 先生をちらりと見る。 先生は窓の外を見ていた。 遠くを見つめる。 寂しそうな目。
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